和讃集

勢観上人鑽仰和讃

音源

歌詞

1 南無なむ勢観せいかん 上人しょうにん
  七百五十年 遠忌おんき
  みあとしのびて 恩徳おんどく
  たたえまつらん とこしえに

2 父は平家の 公達きんだち
  その名知られし 若大将わかだいしょう
  武運ぶうんつたなく 一ノ谷いちのたに
  たれたもうぞ いたわしき

3 はかなき親の とどめてし
  忘れ遺児がたみを 仏門ぶつもん
  送り手ばなす 子別れの
  なみだかなしき 母ごころ

4 乱世らんせほし 吉水の
  ひじりにあずけ まいらせば
  名をば「源智」と たまわりて
  常随じょうずい給仕きゅうじ 十八年

5 やまいとこに 遺訓ゆいくん
  一枚起請 さずかりて
  報恩の念 やみがたく
  刻むは三尺 弥陀みだの像

6 胎内たいない深く おさめたる
  結縁けちえんの名は 五万人
  化物けもつ利生りしょうを むねとして
  勧進かんじんひじりの 道を行く

7 嘉禄かろくの難に こぼたれし
  知恩ちおん教院 復興ふっこう
  先師上人 追孝ついこう
  心ゆかしき 弟子の礼

8 加茂かものほとりは ささき野の
  河原屋にこそ 芳躅ほうたく
  あとをとどめて ゆくりなく
  今生こんじょうえにし 尽きたもう

9 暦仁りゃくにん元年 十二月
  時に春秋 五十六
  その遺跡ゆいせきを いみじくも
  知恩寺ちおんじとこそ 名づけたれ

10 法灯いまに かがやきて
   百万遍ひゃくまんべんの 数珠じゅずひか
   これぞ勢観 せいかん 上人しょうにん
   永久とわのいのちと あおぐなり
   (永久とわのいのちと あおぐなり)

作詞:高津 ときを
作曲:松濤 基

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