蓮華寺和讃

１　琵琶湖びわこの国くにの　蓮華寺れんげじは
　　千四百せんよんひゃくの　年重としかさね
　　あまたの歴史れきしを　刻きざみつつ
　　常つねに念仏ねんぶつ　声こえの寺てら

２　聖徳太子しょうとくたいしが　開創かいそうの
　　お寺てらの名前なまえは　法隆寺ほうりゅうじ
　　本堂前ほんどうまえに　紅くれないの
　　叡願えいがんの梅うめは　今いまも咲さく

３　聖一向ひじりいっこう　上人しょうにんは
　　浄土三祖じょうどさんそに　師事しじをする
　　国々遊行くにぐにゆぎょうの　道みちすがら
　　この地番場ちばんばで　縁結えんむすぶ

４　探題職たんだいしょくの　北条氏ほうじょうし
　　仲時公なかときこうは　二十八にじゅうはち
　　一族いちぞくともに　命絶いのちたつ
　　墓石ぼせきは残のこる　四百基よんひゃくき

５　歌人茂吉かじんもきちの　敬慕けいぼせし
　　応和尚りゅうおうおしょうは　寺てらに住すむ　
　　夜半よわにつまぐる　数珠じゅずの音おと
　　あしたに聞きこゆる　お念仏ねんぶつ

６　番場ばんばの宿しゅくの　生いき別わかれ
　　焦こがれ焦こがれの　再会さいかいは
　　瞼まぶたの母ははの　物語ものがたり
　　願ねがいこもりの　地蔵尊じぞうそん

７　八葉山はちようざんの　本堂ほんどうは
　　釈迦しゃかと阿弥陀あみだの　二尊像にそんぞう
　　勅使ちょくしの門もんは　中雀門ちゅうじゃくもん
　　鐘楼今しょうろういまも　音響おとひびく

８　蓬莱庭ほうらいていは　池いけを抱だく
　　一向杉いっこうすぎに　高野槇こうやまき
　　三葉躑躅みつばつつじの　花景色はなげしき
　　秋あきの紅葉もみじの　色冴いろさゆる

９　浄土本山じょうどほんざんの　蓮華寺れんげじに
　　有縁僧俗うえんそうぞく　集あつまりて
　　ご詠歌和讃えいかわさんに　お念仏ねんぶつ
　　南無阿弥陀仏なみあみだぶつ　阿弥陀仏あみだぶつ

作詞：加藤　良光
作曲：荒木　憲子