和讃集

二河白道和讃

音源

歌詞

① 旅人たびびと一人ひとり 東より 西にむこうに 大河たいがあり
  北は逆巻さかまく 水のうず 南はゆる 火のほむら

2 ふかそこく ほとく 水火すいかこもごも 押寄おしよせて
  右も左も くるう 地獄じごくたにぞ おそろしき

3 うしろを見れば 群賊ぐんぞくや 野獣やじゅうむれの せま
  前にすすむも 助からず あとへ戻るも 亦死またしなり

4 旅のつかれの おもき足 踏出ふみだすべきか しからずか
  進退しんたいここに きわまりて あわむなしく 立ちすく

⑤ こころ悲嘆ひたんに しずむ時 なみに 見えかく
  白くかがやく 一筋ひとすじの 道のるこそ たのみなれ

6 ひがしの岸に 声ありて なんじくべし すすむべし
  われ釈迦しゃかなり 守護しゅごしてぞ 必ず無事ぶじに わたさなん

7 西の岸にも 声ありて 極楽ごくらく教主きょうしゅの 弥陀みだ如来にょらい
  御手みてをさしのべ はげまして きたきたれと まねかるる

8 勇気ゆうき百倍 まっしぐら 歩み運べば たちまちに
  身は彼岸かのきしの はすの上 あら有難ありがたの 浄土じょうどかな

9 いかむさぼり おろかさの 三煩悩さんぼんのうに はばまれて
  まよいのさとを がたき 我等われら凡夫ぼんぶの かなしさよ

⑩ 衆生しゅじょう済度さいどの 悲願ひがんより 善導ぜんどう大師だいしの さとされし
  二河にが白道びゃくどうの たとえこそ たのみのつなと 云うべけれ

作詞:高津 ときを
作曲:松濤 基

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