「詠唱会」とは、「詠歌」と「和讃」を習い唱える会で、寺院により組織されています。
「詠歌」とは、三十一字の和歌にメロディーを付けた曲で、「和讃」とは、大体七五調の二行詞から成っている曲をいいます。さらに、詠歌・和讃の心を体の動きで表現し、仏・祖師・高僧を讃歎し供養する「舞」を合わせて学ぶところもあります。
浄土宗では、法然上人が起居した草庵のあった京都・知恩院付近の古い地名にちなみ、詠歌・和讃・舞を総称して「吉水流詠唱」と呼んでいます。
吉水流詠唱とは、浄土宗の制定した詠歌、和讃及び舞をいいます。
ほとんど法然上人の御作をお唱えしていますが、お念仏の教えを説かれ導かれた高僧のお歌もあります。阿弥陀さまの慈悲の心や教えを情感豊かに詠まれた和歌を唱えます。
和讃は、浄土宗の年中行事、たとえば御忌会、彼岸会、十夜法要を中心に、行事の意味をあきらかにし、法要に参加するために作詞されています。そしてまた、この他に昔から伝えられ、使われている念仏への導き、あるいは念仏を讃えた古い和讃、黒谷和讃、来迎和讃、いろは和讃等を用いています。
舞は、洋舞、日本舞があります。
どれもお歌の心を動作の上に表現して、自分自身が身体全体を通じて仏を賛美し、供養する喜びを表します。
手舞だけでなく、舞扇、鈴などを使うお舞もあります。「歌う・踊る」が信仰の喜びの表現となり、自然と「唱える・舞う」になります。
浄土門主 伊藤唯眞猊下
吉水講には、総本山知恩院吉水講、大本山増上寺吉水講、大本山善導寺吉水講の三総本部があります。また教区には教区本部があり、寺院(教会)には寺院支部があります。
私達は浄土宗吉水流の詠歌和讃および舞を研修すると共に、念仏信仰を確立し、次の五ヶ条の内容を成し遂げる様に、力を合わせ努力致します。
私たちはこの詠唱を通じ
一、篤く三宝を敬い、仏祖の恩徳に報います。
一、元祖法然上人の教えを体し、この道の興隆に励みます。
一、互いに助け合い、念仏をよろこびます。
一、自らのつとめにいそしみ、家庭の平和を念じます。
一、広く同信を募り、社会の浄化につとめます。